同じ山でも、月と標高帯と人が変われば、気をつけることは入れ替わります。 注意を「何で決まるか」で分ければ読む行が絞れます。
必ず出る1件は登山計画書と山岳保険です。なければ遭難しても探す場所が分かりません。
梅雨も台風も日照も標高で前後しません。梅雨(6〜7月・参考)は雨より増水と濡れ、台風(8〜9月・参考)は通過後の倒木・崩落・増水です。
日が短い時期(10〜2月)だけは「注意」です。日没の30分前から山は暗くなるので、「暗くなる2時間前には下山口に着く」計画と全員のヘッドランプが要ります。
山の季節は暦とずれ、ずれ方も標高で違います。境目は下の表で確かめます。
| 標高帯 | 春 | 夏 | 秋 | 冬 |
|---|---|---|---|---|
| 1000m未満 | 3〜5月 | 6〜8月 | 9〜11月 | 12〜2月 |
| 1000〜1500m級 | 3〜5月 | 6〜8月 | 9〜11月 | 12〜2月 |
| 1500〜2500m級 | 5〜6月 | 7〜8月 | 9〜10月 | 11〜4月 |
| 2500m以上級 | 6月 | 7〜8月 | 9〜10月 | 11〜5月 |
標高だけで決まるのは4件です。気温の目安(1000m以上・参考)、高山病(2500m以上・注意)は下るしか治らず、森林限界より上(同・注意)は風速が平地の2〜3倍です。
逆向きに効くのが道迷い(1500m未満・注意)。遭難原因の最多で、多くは低い山。迷ったら下らず、分かるまで登り返します。
標高と季節を掛け合わせると、同じ月でも正反対になります。夏かつ1500m以上なら午後の雷雨、1500m未満なら熱中症です。
季節の変わり目とは、その季節の最初の月と最後の月です。1か月しかない季節(2500m以上の春=6月)は入口と出口を兼ね、注意が2つ出ます。
| 変わり目 | 1500m未満 | 1500〜2500m級 | 2500m以上級 | 段 |
|---|---|---|---|---|
| 冬から春へ(残雪期の入口) | 2・3月 | 4・5月 | 5・6月 | 重要 |
| 春から夏へ | 5・6月 | 6・7月 | 6・7月 | 注意 |
| 夏から秋へ | 8・9月 | 8・9月 | 8・9月 | 注意 |
| 秋から冬へ | 11・12月 | 10・11月 | 10・11月 | 1000m未満は注意/以上は重要 |
残雪期が重いのは、1日で雪の状態が変わるからです。朝は真冬より硬いアイスバーン、昼は腐れ雪、スノーブリッジは午後ほど抜けます。
雪の備えは5段階です(なし/念のため滑り止め=参考/チェーンスパイク必携=注意/アイゼン・ピッケル必携=重要/冬山装備一式=重要)。
単独(注意)は装備でなく段取り。下山連絡の時刻を決めて通報を頼みます。60歳以上(注意)は山岳遭難の半数以上がこの層で、コースタイムは1.2〜1.3倍。
小屋泊には2件。予約制が増えたこと(参考)と、食事つきか素泊まりか(注意)です。素泊まりなら泊数ぶんの夕食と朝食を自分で持ち、持ち物が丸ごと変わります。
日数は3段階です。2泊以上(参考)で予備日とエスケープルート、4泊以上(注意)で途中の補給、7泊以上(注意)は装備より体と連絡の問題。
1500〜2500m級に40〜59歳が2人で日帰り。月だけ動かすと、残雪期と春から夏への変わり目が重なる6月がいちばん多く、6件出ます。
| 月 | 山の季節 | 重要 | 注意 | 参考 | 件数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 6月 | 春(出口) | 残雪期 | 春から夏へ/チェーンスパイク必携 | 計画書と保険/気温の目安/梅雨 | 6件 |
| 8月 | 夏(出口) | なし | 午後の雷雨/夏から秋へ | 計画書と保険/気温の目安/台風 | 5件 |
| 11月 | 冬(入口) | 秋から冬へ/アイゼン・ピッケル必携 | 日が短い時期 | 計画書と保険/気温の目安 | 5件 |
| 分類 | 注意 | 出る条件 | 段 |
|---|---|---|---|
| 常に | 登山計画書と山岳保険 | 条件を問わず必ず | 参考 |
| 月だけ | 梅雨どきは増水と低体温症 | 6〜7月 | 参考 |
| 月だけ | 台風シーズン | 8〜9月 | 参考 |
| 月だけ | 日が短い時期 | 10〜2月 | 注意 |
| 標高だけ | 高山病に備える | 2500m以上級 | 注意 |
| 標高だけ | 森林限界より上は逃げ場がない | 2500m以上級 | 注意 |
| 標高だけ | 低山ほど道に迷う | 1500m未満 | 注意 |
| 標高だけ | 山頂は平地より約○℃低い | 標高1000m以上 | 参考 |
| 標高×季節 | 午後の雷雨 | 夏かつ1500m以上 | 注意 |
| 標高×季節 | 低山の夏は暑さが敵 | 夏かつ1500m未満 | 注意 |
| 変わり目 | 冬から春へ | 冬の最終月と春の初月 | 重要 |
| 変わり目 | 春から夏へ | 春の最終月と夏の初月 | 注意 |
| 変わり目 | 夏から秋へ | 夏の最終月と秋の初月 | 注意 |
| 変わり目 | 秋から冬へ | 秋の最終月と冬の初月 | 1000m未満は注意/以上は重要 |
| 雪・氷 | 残雪期 | 1000〜1500m級は3〜4月/1500m以上は4〜6月 | 重要 |
| 雪・氷 | 冬山です | 冬山装備一式が要る時期 | 重要 |
| 雪・氷 | アイゼンとピッケルが要る | アイゼン必携の時期 | 重要 |
| 雪・氷 | 滑り止めを持つ | チェーンスパイク必携の時期 | 注意 |
| 雪・氷 | 朝の凍結・日陰の残雪 | 念のため滑り止めの時期 | 参考 |
| 人 | 単独行です | 1人 | 注意 |
| 人 | 行程には余裕を | 60歳以上 | 注意 |
| 人 | 保護者への連絡を | 19歳以下 | 参考 |
| 泊まり方 | 山小屋は予約制が増えた | 小屋泊 | 参考 |
| 泊まり方 | 食事つきか素泊まりか | 小屋泊 | 注意 |
| 泊まり方 | 雪の上でのテント泊 | テント泊かつ冬、またはアイゼン必携以上 | 重要 |
| 日程 | 予備日とエスケープルートを | 2泊以上 | 参考 |
| 日程 | 全部担ぐ計画になっている | 4泊以上 | 注意 |
| 日程 | 1週間を超える行程 | 7泊以上 | 注意 |
標高帯と月、人数と年齢、泊数を決めて当てはまる行だけを読みます。1週間ずらすだけで「重要」が消えることも、増えることもあります。