数え間違いは注意力の問題ではなく、起きる場面が決まっています。 目を離した瞬間、単位が1でない瞬間、対象が2つ以上ある瞬間。塞ぎ方も、この三つです。
餃子を包み終わってから、何個作ったか思い出せない。 棚卸しの途中で「今のは袋だったか、バラだったか」が分からなくなる。
見ないで数える。 指を折る、おはじきを移す、ポケットの小石を持ち替える。 昔からの数え方はどれも、数えた事実が手応えとして返ってきます。
Counter1234 が音量ボタンを使うのはこの理屈です。 副作用として、前面にある間はシステム音量が 0.5 に固定されます。 音楽やポッドキャストは止まりませんが、音量つまみは効きません。
押した手応えも、物理ボタン・画面のボタン・長押しリセット・元に戻すで強さが違い、見なくても何が起きたか分かります。 触覚は設定で止められますが、止まるのはこの4種類だけで、メモリ操作と初期化は切っても鳴ります。
0.13秒より速い連続入力は、OSの自動リピートとみなして捨てられます。 バックグラウンドやロック中は数えないので、前面にしたままにします。 横目で見るなら、全画面表示と「画面を消灯しない」設定(既定はオフ)を使います。
数える前に幅を決める。 札を12枚数えてから1000を掛ける。 この後追いの掛け算は、間違えると全部が狂います。
最初から「1押し=1000円」と決めておけば、間違いは1押しぶんに限定されます。 Counter1234 では4つのボタン(音量ボタン2つと、小さい「修正用」ボタン2つ)に独立した整数の幅を持たせられます。 Vol- を押しても数は減らないので、減らしたいなら自分で負の値を入れます。
設定は整数として読めたときだけ反映されます。 空欄や全角数字を保存すると、何も言われないまま元の値が残ります。
数える場所を分ける。 二つのものを一つのカウンターで数えると、押す前に必ず「どちらか」の判断が挟まります。 判断は疲れると飛ぶので、器を二つ置いて物理的に分けるのが確実です。
Counter1234 では、名前付きの「メモリ枠」がその役割をします。 名前は長押しで付け替えられ、品番や種名を入れられます。 ダブルタップで1枠だけ「連携」できますが、連携枠は本体のカウントを写す先で、値を預けておくことはできません。
間違いを完全に防ぐ設計は無理です。 気づいた時点で1押しぶんだけ取り消せるかが実用性を決めます。
カウントには上限も下限もなく、0で止まらず負の数に進みます。 服薬の残りがマイナスなら取り過ぎに気づけますが、0で止まってほしい用途では止まりません。
CSVに出るのはメモリ枠のスナップショットだけです。 今画面のカウントは、枠に保存するか連携しない限り1件も出力されません。
以下は、三つの瞬間のどれが効いているかで場面を並べたものです。 「幅の設定例」はこの記事で想定した値であり、アプリの推奨値ではありません。 既定値は Vol- が +1、Vol+ が +10、修正用が -1 と -10 だけです。
| 場面 | 数え間違いが起きるところ | 防ぎ方 | 幅の設定例 |
|---|---|---|---|
| 餃子・惣菜を包む | 手が粉と餡で汚れて画面を触れず、包み終わってから数え直す | 音量ボタンで加算し、触覚で入ったことを確認 | Vol- = +1(既定のまま) |
| パン生地の分割・仕込み | 「6個で1天板」と塊で進み、天板数と個数が混ざる | Vol+ に天板単位、Vol- に1個単位を割り当てる | Vol+ = +6、Vol- = +1 |
| ネジ・部品の棚卸し | 1袋10本入りとバラ品が混在し、袋か本か分からなくなる | 袋とバラをボタンで分け、品番を名前にした枠へ保存 | Vol+ = +10、Vol- = +1 |
| レジ・金庫の札勘 | 枚数を数えてから金額に掛け直す二度手間で間違える | 最初から金額の幅で数える | Vol- = +1000、Vol+ = +10000 |
| 筋トレのレップ | きつくなるほど数を落とし、画面を見るとフォームが崩れる | 音量ボタンと触覚だけで数える | Vol- = +1 |
| 縄跳び・素振り | リズムに乗ると数が飛ぶ。100を超えると特に | 「画面を消灯しない」を入れ、全画面の巨大な数字を横目で見る | Vol- = +1 |
| プールの往復・トラックの周回 | 1往復=2本など単位が二重で、途中で数え方が入れ替わる | 幅を「1往復=2」にして単位を1つにする | Vol- = +2 |
| 登山の水の残り | 減っていく数をうっかり足す。手袋で画面が反応しない | 減る側を物理ボタンに割り当て、行動食は別の枠で数える | Vol- = -500(ml) |
| 授乳・おむつ替えの回数 | 夜中で寝ぼけていて、暗い部屋で画面を見たくない | 画面を伏せたまま押し、枠を用途別に分けて日ごとに保存 | Vol- = +1、Vol+ = +1 |
| 水分摂取量の記録 | コップ1杯を毎回mlに換算し直すので、そこで狂う | よく使う容量を幅にしておく | Vol- = +100、Vol+ = +200、修正用 = -100 / -200 |
| 服薬の残数 | 減算なのに増やしてしまい、残りゼロを跨いで気づかない | 減る方向で数える。負の数が出れば取り過ぎに気づける | Vol- = -1 |
| 編み物の目数と段数 | 対象が2つあり、段を進めるときに目数のリセットを忘れる | 目数用と段数用に枠を分け、段が変わるたびに目数を保存してリセットボタンの長押しで0に | Vol- = +1 |
| 野鳥・昆虫の種別カウント | 種類が増えると紙のメモが追いつかず、後から合計が合わない | 種名を付けた枠を必要なだけ作り、種を替えるたびに保存して0へ | Vol- = +1 |
| 流星群の観測 | 画面を点けると目の暗順応が失われ、次の1個を見逃す | 画面を伏せたまま音量ボタンだけで数え、触覚で確認 | Vol- = +1 |
| 交通量調査 | 紙の正の字が追いつかず、時間帯の区切りで合計が合わなくなる | 時間帯ごとの枠を作り、区切りで保存して0に戻し、CSVで提出 | Vol- = +1 |
| イベントの入退場 | 出入りが同時に起きて、頭の中で±が混線する | 物理ボタンの片方を入場、もう片方を退場にして在館数を出す | Vol+ = +1、Vol- = -1 |
| 検品ラインの良品/不良品 | 良品を数えながら不良を見つけると、そこで良品の数が飛ぶ | 良品用と不良品用の枠を分けて作り、区切りごとに枠へ保存して0に戻す | Vol- = +1 |
| 封入・宛名貼りの通数 | 単調作業で意識が飛び、中断されると再開位置が分からない | カウントは端末に保存されるので、閉じても数は残る | Vol- = +1、Vol+ = +50(束) |
| ビス・木材の本数 | 手袋と粉塵で画面が反応せず、取り置きと使用分が混ざる | 音量ボタンで数え、部材名を付けた枠に必要数を控える | Vol- = +1、Vol+ = +4 |
| 苗の定植・収穫コンテナ | 畝の途中で中断が入り、どこまで植えたか分からなくなる | 畝ごとに枠を作って区切る | Vol- = +1、Vol+ = +20(1トレイ) |
| 講演での口癖の回数 | 画面を見た瞬間に話の内容を聞き逃す | ポケットの中で押すだけにする | Vol- = +1 |
| 写経の巻数・百度参り | 数を意識すること自体が集中を切る | 目を閉じたまま押し、数え終わってから画面を見る | Vol- = +1 |
| ペットの発作・嘔吐の回数 | その場は対応で手一杯で、記録が後回しになり忘れる | その場で1回押す。枠に保存した時点で日時が入る | Vol- = +1 |
| 引っ越しの段ボール数 | 積み込みと積み下ろしを別々に数え、合わなくなる | 積み込み数を枠に保存し、下ろすときは減らして0になるか見る | Vol+ = +1、Vol- = -1 |