棚卸しが合わないのは、たいてい数え方ではなく段取りのせいです。 数え始める前に「単位」と「区画」を決めておくと、合わない原因のほとんどが消えます。
いちばん多い失敗が、数えた回数と、知りたい数がずれていることです。 「1袋10本」を袋で数えて、あとから10を掛ける。入数を1つ間違えると、その品目が丸ごと狂います。
数える道具の側で幅を変えられるなら、1押し=実際に知りたい単位にしておきます。 Counter1234 は4つのボタンそれぞれに整数を割り当てられ、負の数も入ります。 袋とバラが混ざる棚なら、袋用のボタンに10、バラ用に1を入れておけば、どちらを押しても合計は本数のまま積み上がります。
棚をひと続きで数えると、どこまで数えたか分からなくなります。 1区画は「数え直しても惜しくない量」にします。境界が物理的にはっきりしているところで区切ります。
Counter1234 なら、区画名を付けたメモリ枠に保存し、数字の右の「リセット(長押し)」で0へ戻す、の繰り返しになります。 枠は最初3つで、必要なだけ増やせます(最大100)。 数え始める前に区画のぶんだけ枠を作って名前だけ付けておけば、値の入っていない「未設定」の枠が、そのまま未着手の一覧になります。
数えながら画面を確認する動作そのものが、対象から目を離させます。 手が塞がる場面では、物理の音量ボタンでも数えられます。 ただし0.13秒より短い間隔の連続入力は捨てられるので、連打せず1回ずつ手ごたえを確かめて押します。
数え間違いに気づいたら。 Counter1234 は直近50回まで取り消せます。数え直しにならずに1押しぶんだけ戻せるかどうかが、 実際の作業では効いてきます。
差が出たら、まず数え間違いか、実際に無いのかを分けます。 区画ごとに控えてあれば、合わない区画だけを数え直せます。全部やり直す必要はありません。
記録をあとで使うなら、CSVに書き出せます。出るのは番号・名称・カウント・保存日時の4列です。 1回ごとの操作履歴ではなく、控えた枠の一覧が出ます。
次の区画に移るときに押すのは、数字の右にある「リセット(長押し)」です。 ほかに2種類の初期化があり、消える範囲が違います。とくに 「枠・名称を残して数量のみ初期化」は確認なしでその場で実行され、 増加数の設定まで既定に戻ります。
| 操作 | カウント | 増加数の設定 | 枠と名称 | 枠の保存値 |
|---|---|---|---|---|
| リセット(長押し) | 0 | そのまま | そのまま | そのまま |
| 枠・名称を残して数量のみ初期化 | 0 | Vol- = 1、Vol+ = 10、修正用 = -1 / -10 に戻る | そのまま | すべて空 |
| すべてを初期化 | 0 | Vol- = 1、Vol+ = 10、修正用 = -1 / -10 に戻る | 空の3枠に戻る | すべて消える |
単位と区画の決め方は、品物がどう持たれているかでほぼ決まります。 「ボタンの割り当て例」はこの記事で想定した値であり、推奨値ではありません。
| 品物の状態 | 数える単位 | ボタンの割り当て例 | 区画の目安 | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| バラのみの小物(ビス、部品) | 1個 | Vol- = +1、Vol+ = +10 | 引き出し1杯、箱1つ | まとめ掴みは数を固定する |
| 入数の決まった袋とバラの混在 | 本数に統一 | Vol+ = 入数(例 +10)、Vol- = +1 | 品番ごと | 入数が2種類あるなら枠を分ける |
| ケースで動く品(飲料、資材) | ケース | Vol- = +1、修正用 = -1 | パレット1枚、棚1段 | 端数のバラは別の枠にする |
| 重量で管理する品(粉、液体) | 数えず計量する | 容器の本数だけ Vol- = +1 | 保管庫1つ | 開封済みを数に入れるか決める |
| 高額・少数(貴金属、鍵、機器) | 1点 | Vol- = +1、修正用 = -1 | 什器1つ、保管庫1つ | 二人で別々に数えて突き合わせる |
| 陳列中の商品(売場) | 販売単位 | Vol- = +1、Vol+ = 列数 | ゴンドラ1本、棚1段 | 通路の反対側とエンドを一覧に入れる |